NVIDIAスイッチを快適にご使用いただくために – Onyx-OSアップグレード
NVIDIAネットワークスイッチで使用されるOnyx-OSは、最新版の使用が推奨されています。
アップグレードでは、新しい機能の追加によるユーザの使い易さの追加、および周辺環境の進化による機能強化、そしてスイッチの仕様機能を満たさない不具合等の修正なども含まれます。
従って、本稿のOnyx-OSのアップデート方法に沿って可能な限り最新版へアップデートいただくことを推奨します。
1 : 最新のOnyx-OSの情報
詳細情報は該当バージョンのユーザマニュアルやリリースノートをご参照下さい。
最新のOnyx-OSの情報は、弊社FTPサイトから入手いただけます。
※FTPサイトへのアクセス方法に関してはお手数ですが弊社担当者へお問い合わせください
長年アップグレードされていない古いOnyx-OSからアップグレードする際には、段階的にアップグレードする必要があります。
(本稿末尾の付録1もしくはRelease noteのアップデートテーブルをご参照ください。)
2:Onyx-OSアップグレード方法
Onyxのアップデート方法は、GUIベースのWebUIおよび、キャラクターベースのCLIで実施する方法があります。
2-1:WebUIでのアップグレード
①事前にホストPCにアップグレード対象のOnyx-OSイメージファイルをダウンロードしておく。
②ホストPCをアップグレードするスイッチの管理ネットワーク(mgmt0ポート)に接続する。
③ホストPCからブラウザでスイッチのmgmt0ポートに割り当てられたIPアドレスにアクセスすることで、スイッチのWebUIを起動します。ホストPCをアップグレードするスイッチと同じ管理ネットワークに接続すると、スイッチのWebページを使用してOnyxイメージをスイッチへ直接アップロードすることができます。
④WebUIのメニュー上で、ホストPCにダウンロードしたOnyx-OSイメージファイルをインストールする。
⑤OSアップグレードしたスイッチを再起動する。
2-2:コンソール接続によるCLIでのアップグレード
スイッチにコンソールssh接続によりCLI(コマンドライン操作)でアップグレードが出来ます。Onyx-OSイメージファイルをスイッチへダウンロードする方法として、ftp/http/scpやUSBデバイス等がありますが、今回は、USBフラッシュメモリーを使用する方法とLinuxサーバ等のローカルからscp接続する方法でダウンロードについて説明します。
3:WebUIでのアップグレード手順
(1):ホストPCからブラウザでスイッチのWebUIへアクセスします。
スイッチのmgmt0のIPアドレスが192.168.10.100の場合
https://192.168.10.100
初期設定でのログイン時:Account:admin Password:admin
(2):ログイン後、以下のようにWebUIが開きますので、「system」→「Onyx Upgrade」へ進みます
(3):スイッチには2つのパーティションがあり、どちらかが起動しています(ActiveImage)。
(4):画面中段の“Install New Image to (non-active)Partition *” 欄にある
“Install from Local file” の〇をチェック(⦿)し、“参照”をクリックしてローカルドライブに保存されているOnyx-OSイメージを選択します。“Install Image” をクリックしてインストールを開始します。
(5):インストールが開始すると、以下のように進捗状況が表示されます。
(6):インストールが終わると、以下のようにStep5までがFinishedと表示されるのでOKをクリックします。
(7):この画面で表示されている、Partition1のOnyx-OSが更新されている旨表示されています。
(8):RebootからRebootボタンをクリックします。
(9):Rebootをクリックして再起動を行います。
(10):再起動中は以下のように表示されます。
(11):再起動後、再びログインをし、「system」→「Onyx Upgreade」の画面を見ると、Partition1のOnyx-OSが更新されPartition1から起動している事を確認します。
4: CLIでのアップグレード手順
CLIでのアップグレードの際、Onyx-OSのイメージをスイッチにダウンロードする方法として、USBデバイスを使用する方法と、scpによる方法を示します。
[1]:USBフラッシュメモリからのダウンロード
事前にUSBフラッシュメモリの最上位ディレクトリにOnyx-OSイメージファイルを配置してください。(FAT32フォーマット)
USBフラッシュメモリはスイッチのUSBポートに接続すると自動的に、/var/mnt/usb1にマウントされます。
[2]:SCP接続でリモートサーバーからのダウンロード
事前にスイッチからSCPで接続するサーバ(Linuxなど)のローカルにOnyx-OSイメージファイルをコピーしてください。
いずれの方法も、Onyx-OSイメージファイルをどこからダウンロードするかの違いで、操作手順は同様です。
4-1:ホストPC(もしくはリモートサーバー)のターミナルソフトからスイッチのmgmt0ポートにSSH接続をします。
ここでは、以下の例になります。
Mgmt0 IPアドレス:192.168.10.190
ポート:22
サービス:SSH
スイッチが初期設定の際、ログインのユーザ名とパスワードは以下になります。
ユーザ名:admin Password:admin
4-2:SSHでログイン後、OSをアップグレードするために以下のコマンドで、Configuration Modeに入ります。(コマンドは太文字で記載します)
switch > enable
switch # configure terminal
switch (config) # <-これでConfiguration Modeに入りました。
以降、コマンドを打つ際にConfiguration Modeの時はswitch (config) #の後に、コマンドを記載します。
4-3:現在スイッチにインストールされているOnyx-OSバージョンを、show images コマンドで確認します
この出力で、Partition1にはOnyx OS v3.9.3220が、Partition2にはOnyx OS v3.10.2202がインストールされており、現在Partition2から起動している事が確認して頂けます。
4-4:Onyx-OSイメージファイルをSCPコマンドでダウンロードします
4-4-1: USBフラッシュメモリ内からOnyx-OSイメージファイルをダウンロードする場合
switch (config) # image fetch scp://admin:admin@127.0.0.1/var/mnt/usb1/onyx-X86_64-3.10.3004.img
以下のように、USBフラッシュメモリよりOnyx-OSイメージファイルのダウンロードが終了すると100%と表示されます。
4-4-2: リモートサーバーからOnyx-OSイメージファイルをダウンロードする場合
用意したリモートサーバーのIPアドレス 192.168.10.51
リモートサーバーのユーザ名/パスワード root/password
Onyx-OSイメージファイル名: onyx-X86_64-3.10.3004.img
ファイルの保存場所: /home/admin/
この場合のコマンド例
switch (config) # image fetch vrf mgmt scp://root:password@192.168.10.51/home/admin/onyx-X86_64-3.10.3004.img
実行結果:以下のように、リモートサーバーよりOnyx-OSイメージファイルのダウンロードが終了すると100%と表示されます。
Onyx3.10.xxxxは初期状態(Default)でVRFがmgmtに設定されているため、この例では、以下のようにコマンドにvrf mgmt を入れました。
switch (config) # image fetch vrf mgmt scp,,,,,
4-5:Onyx-OSイメージファイルがダウンロード出来ているか、再度show imagesコマンドにて確認します。
以下の赤文字部分でダウンロード出来ているか確認出来ます。
4-6:ダウンロードしたOnyx-OSイメージを以下のコマンドでインストールします。
switch (config) # image install
インストールが終了するとすべて100%と表示されます。
4-7:アップデート後の再起動でアップデートしたパーティションから起動するように次回起動パーティションを変更します。
switch (config) # image boot next
4-8:show imagesにて次回の起動パーティションがOnyx-OSをアップグレードしたパーティション1になっている事を確認します。
4-9:以下のコマンドでコンフィグの変更を保存します
switch (config) # configuration write
4-10:USBフラッシュメモリを使用した場合は、以下のコマンドでUSBフラッシュメモリをアンマウントすることにより、スイッチからUSBメモリを抜き取ることができます。
switch (config) # usb eject
4-11:アップグレードしたOnyx-OSで稼働させるために、以下のコマンドでスイッチを再起動します。
switch (config) # reload
4-12:スイッチが再起動したら、同様にConfiguration Modeに入り、show imagesにて、Onyx-OSをアップグレードしたパーティション1から起動している事を確認します。
4-13:スイッチにダウンロードしたOnyx-OSイメージファイルを削除したい場合は、以下のコマンドを使用して下さい。
switch (config) # image delete <イメージファイル名>
CLIでOnyx-OSイメージファイルをスイッチにダウンロードした時は、ファイル名がそのままダウンロードされます。ここではonyx-X86_64-3.9.3220.imgがそのOSイメージファイル名になります。
WebUIからOnyx-OSのアップグレードを行った際には、ダウンロードされたOnyx-OSイメージファイル名がwebimage.tbzとなっており、同じファイル名で上書きされます。
Onyx-OSイメージファイルがスイッチから削除されたかは、show images コマンドで確認出来ます。削除されていると、show imagesの出力の中に、以下の表示が含まれています。
纏め
付録1: URL参照先 (2022年9月時点)
・Onyx OSのユーザマニュアル
Onyx-OSのユーザマニュアルは、NVIDIA Switch Softwareの以下のURLから参照頂けます。
https://docs.nvidia.com/networking/
このページから、Software→Switch Software -> NVIDIA Onyx(Ethernet) へ行くと、最新のバージョン含めたOnyx-OSの情報をご確認頂けます。
・OSのアップグレード/ダウングレード方法
OSのアップグレード/ダウングレード方法は、そのリンク先のマニュアル内に記載されています。
例:2022年9月時点でのOnyx 3.10.3004参照URL
この左側メニュー System Management -> Upgrade/Downgrade Process
https://docs.nvidia.com/networking/display/Onyxv3103004
・Onyx-OSのリリースノートについて
Onyx-OSのリリースノートはNVIDIA PARTNER NETWORKに入られている方は、OSのダウンロード場所からご確認頂けます。リリースノートには以下のようなUpgrade Pathなどの制限事項などが記載されています。